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可視光線は波長が約400nmから800nm程度で、数字が小さいほうが青紫、大きくなると赤みを帯びてきます。黄色や緑などはその中間の波長になります。
太陽から出る光を人間の目で見える範囲で分析すると、虹の色の配列に見えます。このように光の中に連続して色が見えてくるもの、これを「連続スペクトル」といいます。
一方、ある特定の元素を熱したりしてエネルギーを加えると、その元素の電子の運動が活発になり 軌道をあちこち移って、加えられたエネルギーに見合った場所に動こうとします。
このときにエネルギーの差が光(可視光とはかぎらない)となって放出されますが、このときの光は電子の動き方によって特定の波長のものしか出てきません。ゆえに単色光といいます。
電子の動き方は元素によって決まってきますので、それが可視光線だった場合にはその元素特定の色にみえます。物質を熱したときに見られる「炎色反応」の炎色はこの色です。
この単色光を、両端を紫、赤にとった虹色の分布グラフに表わしてみると、そこだけ輝く色になって表われます。そのためこれを「線(輝線)スペクトル」といいます。
吹きガラスやバーナーワークをするときに、ガラスを熱すると、よく非常に明るい黄色い炎があがります。この炎色はナトリウムのD線と呼ばれ、輝線スペクトルの単色光です。
これはガラスの成分の中のナトリウムが熱せられて発色しているもので、ナトリウム独特の光です。
(道路トンネルの中の照明を想像してください。あれはナトリウムランプといわれていますね)
ナトリウムの黄色光の波長は約589nmで(厳密には輝線は2本あります)、この波長を遮ってやれば、ナトリウムの光は見えなくなってしまいます。
つまり、フィルターとしてその波長だけを遮るレンズを作ってやれば、他の波長は素通しなわけですから、黄色いまぶしい炎だけ見えなくなった、明るくて見やすいフィルターができるわけです。
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AURA Lensのローズディディミウム
(蛍光燈下で撮影) |
よくガラス細工で使われていた「ディディミウム」レンズというのは、このナトリウム光の波長を吸収してしまうので、その条件にぴったりのものでした。
ディディミウムは「ローズディディミウム」と言われており、レンズ色は白熱灯ではローズピンクにみえますが、蛍光燈などでは緑青にみえます。
このローズディディミウムはネオジムとプラセオジムを成分元素として持ち、それらの元素の吸光特性(特定の波長の光を吸収してしまう性質)によって、その機能を現わしています。
また、このレンズは炎から出てくる可視光以外の部分のうち、有害な紫外線も防ぎます。
最近の化粧品などのCMでも出てきますが、紫外線は波長10数nm〜400nmの間で何種類かに分類されており、波長280nmから320nm程度の紫外線(UV-B)は目に悪影響があるといわれています。
ディディミウムは、360nmまでの紫外線をほぼ完全に防ぎます。
では、赤外線のほうはどうでしょうか。
「赤外線コタツ」や「赤外線ヒーター」など熱に関わる器具が身の回りにあるので、高温なものからは赤外線が放出されているということは、感覚的になんとなくわかります。
炎も例外ではなく、温度の高いもの、燃焼量の多いものほど放射量が多くなっています。赤外線が「熱線」ともいわれていた由縁です。
赤外線は800nm以上のかなり広い範囲(数十万nmぐらい)を指しますが、ディディミウムはこの範囲をほとんど防ぎません(透過率90%ぐらい)。
そのため、ディディミウムレンズで赤外線放射量の多い作業(ファーネス管理や酸素バーナー仕事など)を長時間続けた場合には眼精疲労が起きやすくなる可能性があるようです。
話は変わりますが、AURA Lensのサイトでは「ディディミウムII(ツー)」なるレンズを、本物のローズディディミウムと混同しないようにと、呼びかけています。
ディディミウム2はポリカーボネートに金をコーティングしたもので、主に赤外線防護に使われ、ローズディディミウムとはまったくの別物です。
その可視光透過性は非常に低く、かなり暗いレンズです。また、ナトリウム光のフィルター性能も本物のディディミウムに劣ります。
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